ゴルフ界で最も古く、最も権威あるメジャー選手権『全英オープン』が、2026年7月16日に開幕する。舞台となるのは、イングランド・サウスポートの名門ロイヤルバークデールGC。吹き付ける海風、深いポットバンカー、そして自然の地形を生かしたリンクスコースが、世界最高峰の選手たちを待ち受ける。
今年は日本から8人が出場。メジャー経験豊富なベテランから国内ツアーで勢いに乗る若手まで、近年でも屈指の充実した顔ぶれとなった。それぞれの現在地と、出場権獲得までの歩みを振り返る。
日本ゴルフ界を牽引する松山英樹は、2025年の米ツアー(フェデックスカップ)ポイントランク上位30人などの資格で、今年も全英オープンに臨む。昨年大会は16位タイの成績を残しており、悲願の全英初制覇へ期待が高まる。今季はマスターズで12位タイ、全米プロ選手権でも26位タイと安定した成績を残している。
州を主戦場とする中島啓太は、直前のジェネシス・スコットランドオープンで自己最高となる3位タイに入り、2年ぶり4回目の全英出場に弾みをつけた。DPワールドツアーの最終Race to Dubaiランキング上位25人の資格で出場権を手にした中島は、リンクス適性の高いボールコントロールを武器に、初のトップ10入りを狙う。
久常涼は世界ランキング上位50人の資格で2年ぶりの全英出場を決めた。PGAツアーを主戦場に経験を積み重ねており、2024年の初出場(ロイヤルトゥルーン)では予選落ちに終わったが、その悔しさをバネに今大会での飛躍を期す。
2025年国内男子ツアー賞金王・金子駆大は、フェデレーションランキング上位の資格で初の全英オープンに臨む。昨季5月の関西オープンで初優勝を果たすと、そのまま賞金王まで駆け上がった23歳。国内ツアーで培った勢いを、そのまま世界の舞台へ持ち込みたい。
片岡尚之は2025年日本オープン優勝によって全英出場権を獲得し、初のリンクスに挑む。日本の名門コースで磨いてきたショット技術が、バークデールの難コースでどこまで通用するか注目される。
米澤蓮は5月のミズノオープンで2位タイに入り、オープン・クオリファイング・シリーズを突破して初の全英オープン出場権を獲得した。アクシデントでドライバーを破損するアクシデントに見舞われながらも最終日にイーグルで締めくくっての切符獲得で、悲願のメジャー初挑戦に胸を膨らませる。
比嘉一貴は、2025年アジアンツアー年間王者の資格でロイヤルバークデールへ乗り込む。2022年の国内賞金王と合わせ史上初の"2冠"を達成しての切符獲得だ。2026年の全米プロでは予選を通過するなど、海外メジャーでも着実に経験を積み重ねており、リンクスでの上位進出を狙う。
永野竜太郎は、ミズノオープンで2位タイに入って出場権を獲得し、2021年以来5年ぶり2度目の全英オープン出場となる。前回大会で得た経験と粘り強いプレースタイルは、我慢比べとなるリンクスコースで大きな武器となるだろう。
全英オープンで問われるのは、飛距離やショットの精度だけではない。刻々と変化する風や天候を受け入れ、不運さえも受け止めながら18ホールを戦い抜く“耐えるゴルフ”が勝敗を左右する。
海外ツアーで実績を積む松山、中島、久常、そして国内ツアーを勝ち抜いてきた金子、片岡、米澤、比嘉、永野。近年でも屈指の充実した顔ぶれとなった日本勢8人が、ロイヤルバークデールでどのような足跡を刻むのか。
世界最古のメジャーである全英オープン。その歴史に、新たな日本人選手の名前が刻まれる瞬間を期待したい。