第154回全英オープンに出場する地元の英雄は、トミー・フリートウッドだけではない。
実は、彼より5歳年上の選手が、その称号をより強く体現しているとも言える。
マシュー・ボールドウィンは、自らを「生粋のサウスポートっ子」と表現する。ロイヤル・バークデールのメンバーでもある彼は、ダンドナルドで行われた最終予選を突破し、ロイヤルリヴァプール、ロイヤルリザム&セントアンズに続いて、地元イングランド北西部の全英開催コースをコンプリートした。
さらに、第154回全英オープンの「第1打」を放つ栄誉を担うことになった。その瞬間、コース上にはバンカーよりも多くのボールドウィン一家がいるかもしれない。
ボールドウィンは「本当に興奮しています」と言う。「大きな名誉です。緊張もするでしょうが、夢に見ていたことですから」
「最初は少し驚きましたが、(R&Aのチーフ・エグゼクティブ、マーク・ダーボンと)話をするうちに、素敵な話だなと思えてきました」
「妻、母、弟と妹、その子どもたち、そして親しい友人たちが全員来てくれます。賑やかな一週間になりそうです」
地元出身者の強みとして、コース理解度の高さが挙げられるのは当然だろう。
しかしボールドウィン本人は、コースの大幅な改修と灼熱のサウスポートの太陽が、地元選手にとっても新たな課題をもたらしていると率直に語る。
「新しいセッティングなので、自分にとっても学びの部分があります。これほど速いコンディションは見たことがないので、適応しながら感覚をつかんでいくしかない。ただ、どこに打って、どこに打ってはいけないかは分かっています」
ボールドウィンとフリートウッドの縁は、遠い昔に遡る。
フリートウッドがランカシャー州の男子チームにデビューしたのは、わずか13歳のとき。そのときのフォーサムのパートナーが、ボールドウィンだった。若き日のフリートウッドは、目の前の先輩に圧倒されたという。
大会前、フリートウッドがボールドウィンについて語った言葉には、深い敬意と温かさが滲んでいた。
「マットは当時、おそらくイングランドで最高の選手だった。そのマットが僕のフォーサムのパートナーだったんだ」
「ジュニアとして、アマチュアとして、この地域で活躍するゴルファーとして、ずっと尊敬してきた存在だ。長い付き合いになる」
「マットが全英の予選を通過してくれて、本当に嬉しかった。地元の全英を楽しめるのは、僕だけじゃない」
「むしろマットの方が、僕より深くこのコースに根ざしている。ここのメンバーだし、この大会は彼にとって計り知れない意味を持つはずだ」
「彼には最高の一週間を過ごしてほしい。年下の自分に、いつも時間を割いてアドバイスをくれて、一緒にゴルフをしてくれた。ずっと敬意を持ち続けてきた人だ」
その言葉は、ボールドウィンの胸に深く響いた。彼はフリートウッドがPGAツアー優勝者、そしてオリンピック銀メダリストへと成長していく姿を見守ってきた。
「トミーは若い頃からゴルフを通じた親友。彼がああいう言葉を言ってくれるのは、本当に嬉しい」
「一緒に州の代表として戦い、プロ転向後もチャレンジツアーを共に転戦して、同じ年にステップアップした。良い旅を一緒にしてきた。彼の旅はその後、世界レベルになった。誇りに思っている」
世界ランキングでは2人の間に約800の差がある。しかし木曜日の朝、彼らは同じ出発点に立つ。
第1組でのスタートは、ボールドウィンに勢いをつける絶好の機会だ。2023年、ここから遠くないロイヤルリヴァプールでは、同じくホームコースのメンバーであるマシュー・ジョーダンが第151回全英オープンの第1打を放ち、2アンダー「69」でラウンドを終えてトップ10に滑り込んだ。
このサウスポートが誇る息子が、今週同じような軌跡を描いたなら、これ以上の物語はない。