1998年、全英オープンがロイヤルバークデールにやってきたとき、トミー・フリートウッドは目を輝かせた7歳の少年だった。
あれから約30年。ゴルフ最古の選手権に挑む35歳の彼は今、イングランド全土に広がる熱狂の波を背負って、この地に帰ってきた。
イングランドのコースで、イングランド人選手が全英オープンを制したのは、1969年のトニー・ジャクリンが最後だ。その3年前には、イングランドがサッカーのワールドカップで唯一の優勝を果たしている。フェアウェイに集まるギャラリーたちは今、日曜の夕暮れまでに、その二つの「呪縛」が同時に解けることを夢見ている。
もし地元の英雄がクラレット・ジャグを高々と掲げる瞬間が訪れたなら、会場に涙しない者はいないだろう。
フリートウッドの顔は、この街のいたるところにある。
サウスポート&バークデール・スポーツクラブには彼の巨大な壁画が描かれ、リヴァプールの大型ショッピングセンター“リヴァプール・ワン”では1000平方メートルを超える肖像画が買い物客を出迎える。近くのヒルサイド駅前のポストの上には、かぎ針編みのフリートウッド人形まで鎮座している。
マージーサイドの人々は地元の英雄を誇りにしている。今週、最も大きな歓声を受けるのは、間違いなく“トミー坊や”だ。
幼い頃、茂みをくぐり抜けてバークデールの神聖なフェアウェイに忍び込んだという逸話は、多少誇張されているかもしれない。「実際にやったのは1、2回だよ」と、月曜の記者会見で彼は笑いながら認めた。それでも、このコースを誰よりも知り尽くしているのは確かだ。
過去に一度だけここで戦った2017年大会では、初日に6オーバーを叩き、プレッシャーに飲み込まれた。しかし彼は「これまでの中で最高のラウンドの一つ」と振り返る驚異の巻き返しで予選を通過し、土曜日には66をマーク。3年前のロイヤルリヴァプールでもトップ10フィニッシュを果たしている。
「あの経験はすべて、今の自分の糧になっている。目標にもなっている」
「地元で、自分を応援するために集まってくれた人たちの前でプレーできるなんて、夢のようだ。ポジティブなことしかない」
「難しいのは、自分がどれだけそれを欲しているか、そして自分自身の期待とどう向き合うかということ。でも、全英オープンに出場する選手なら誰もが優勝を夢見ている。その点では、僕も他の誰とも変わらない」
「ただ、僕には地元のサポートがある。それを最高の燃料にできる。それだけ僕はラッキーだ」
メディアの前でリラックスした表情を見せたフリートウッドは、今週は「笑顔でいること」を最優先にしたいと語った。
バークデールの難所が牙を剥き、自然が猛威を振るう場面では、それも簡単ではないかもしれない。しかし彼には、ホーム開催という特別なプレッシャーの下でも冷静さを保てるだけの技術と、何より確固たる視点がある。
「7歳の自分に戻って考えると、バークデールで全英オープンに出るなんて、考えただけで信じられないくらい特別なこと」と彼は続けた。「それを楽しめないとしたら、自分を裏切ることになる。
「息子のフランキーは今8歳。1998年に全英がここに来たときの僕と同じ年だ。あの大会が、ゴルファーとして夢を追い始めた原点だった。
「息子は今、父親がプレーするのを見られる最高の年齢にいる」
昨年8月のツアー選手権でPGAツアー初優勝を果たしたフリートウッドの勝利を、ゴルフ界全体が祝福した。珍しいほど誰もが喜んだ瞬間だった。
そして今、この地でメジャー初制覇を果たすとなれば、その感動は比べものにならないほど大きなものになる。
世界ランク9位の彼は、初日から2日間、ジョーダン・スピース、ジョン・ラームとの豪華トリオで戦う。
彼は言葉を選びつつ「メジャーを勝たなければ満足できない、とは思いたくない」と語った。「ここにいる全員と同じように、僕たちは人生をかけて、すべてを注いでいる。それが実を結ぶかもしれないし、そうならないかもしれない」
「もし叶わなかったとしても、夢を追い続けたあの時間は何だったんだ、などとは思いたくない」
「どんな結果になろうとも、自分はすべてを出し切った、そして最高の時間を過ごしたと振り返れる」
「できればキャリアを終えるときに、メジャーで1〜3勝はしておきたい」
「夢は叶う。僕たちはそれを何度も目にしてきた。でも、追いかけなければ、自分の夢が叶うかどうかは永遠にわからない。僕の夢が叶うかどうか、まだわからない。これまでたくさんのことを成し遂げてきたけれど、まだまだ先は長い」
その“先”は、地元から始まる。