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第153回全英オープン初日レビュー

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5人が首位タイ並ぶ激しいスタート

時折激しく降る雨と強風の中で進んだ第153回全英オープン初日。世界各地から集まった156人のトップゴルファーたちは、リンクスコース特有のコンディションに悩まされながらもハイレベルなバトルを繰り広げた。プレー始まりから終わりまで目が離せない状況は続き、目まぐるしく順位を入れ替えながらファーストラウンドは終了。今後の展開が楽しみな状況だ。

4アンダーでトップに立ったのは、ヤコブ・スコフ・オルセン、ハオトン・リー、マット・フィッツパトリック、クリスティアン・ベゾイデンハウト、ハリス・イングリッシュの5人。メジャー優勝経験者はフィッツパトリックのみだが、後続には1打差にスコッティ・シェフラー、2打差にジャスティン・ローズ、3打差にロリー・マキロイとそうそうたる面子が並び、2023年覇者のブライアン・ハーマン、昨年大会王者ザンダー・シャウフェレ、前回2019年にロイヤルポートラッシュの地でクラレットジャグを掲げたシェーン・ローリーも、好位置につけた。

2017年大会で3位に食い込だリーは、ロイヤルバークデールでの最終日に「63」の好スコアをマークした経験を持つ。リンクスゴルフを得意としており、この日も、自在にゴルフボールを操ってノーボギーの「67」でフィニッシュ。とりわけ、9番のパーセーブでは長いアップアンドダウンをねじ込んだ場面は圧巻だった。

松山英樹と同組で回ったフィッツパトリックも安定したゴルフを披露した。シーズン序盤は低調なパフォーマンスが続いたが、新しいスイングコーチを迎え入れて以来、復調の兆しを見せている。2番でイーグルを奪取すると波に乗り、さらに16番では鮮やかなチップインバーディでスコアを伸ばすなど、良い形で初日を終えた。

イングリッシュは序盤の1番、2番、4番で立て続けにバーディ、5番でスコアを落としたものの、6、7番で再び連続バーディを奪取して4アンダーで前半を折り返した。ただ後半はスコアを伸ばし切れずに、他を引き離すことができなかった。

午後組のベゾイデンハウトも素晴らしかった。5番からの3連続バーディは圧巻で、12番では10メートル近いイーグルパットをねじ込んだ。ラウンド後には「先週のスコットランドオープンで良い結果を出し、今週に向けて良い流れを持ち込んでいる。今日はさらに良いプレーができた。調子はいいね」と喜んだ。

無論、18ホールのみでクラレットジャグに手は届かない。加えて、シェフラーやマキロイといったビッグネームたちは、メジャーの戦い方を熟知している。2日目以降、さらにドラマチックな展開は必須で、今年の世界最古のメジャーも素晴らしい大会になること確実だ。

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