松山英樹にとって11回目の全英オープンは、厳しい船出とともに始まった。
1番ホール。世界最古のメジャー初制覇を狙う33歳のこの日最初のティショットは、左ラフへ飛び込んだ。さらにセカンドをグリーン左のバンカーへ打ち込む。いきなりトラブルが続いたものの、3打目をピン3メートルに寄せて、パーセーブに成功する。
だがフロントナインでは、その後もショットの精彩を欠いた。フェアウェーを捉えられず、4番で最初のボギーを叩くと、8番ではティショットを右のフェアウェーバンカーへ。このホールをダブルボギーとして、さらに続く9番でもスコアを1つ落として、前半を「40」でフィニッシュした。
後半になると、ショットが徐々に安定していく。10番では、初めてティショットをフェアウェーにボールを運び、続く11番でもフェアウェーキープ。しかしこのホールでは再びボギーを叩いて、5オーバーまでスコアを落とした。
とはいえ、そこから大崩れしないのが松山たる所以である。12番のロングホールでこの日最初のバーディを奪取。直後の4ホールをパーでしのぎ、17番でこの日2個目のバーディ。ファーストラウンドは2バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「74」、3オーバーで終えた。
ラウンド後、バックナインでの修正点を聞かれた松山は「後半はフェアウェーに行きましたね」と安どの表情を浮かべ、「たまたまうまくいった感じ。フェアウェーにいけばチャンスも出てくる」。
その言葉どおり後半はパッティングも精度が上がった。本人は「前半も(パットは)悪くはなかったですけど、後半入ってくれたのは助かりましたね」と振り返った。
後半のパフォーマンスはましになったとはいえ、「そこまで明るい材料ではない」。2日目に向けて、「しっかりと準備して頑張りたいなと思います」
初日を終えて99位タイ。首位とは7打差も、松山の爆発力を持ってすれば明日以降の上位進出は十分にあり得る。前回ロイヤルポートラッシュで開催された2019年大会は、通算3オーバーで予選落ち。まずはカットラインまでスコアを戻して、上昇気流に乗りたい。