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地元での優勝を狙うロリー・マキロイ/

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6年前の雪辱を期す


伝説によると、稀代の軍事的天才と言われたアレクサンダー大王(アレクサンドロス3世)は次々と隣国を攻め続け、征服する地がなくなったことに涙したとされる。

ロリー・マキロイも似たようなシチュエーションに置かれていた。

4月のマスターズ・トーナメントでは、プレーオフのすえにジャスティン・ローズを破って悲願のキャリアグランドスラムを達成。その際には涙を流して喜んだが、その後、一時はモチベーションを高めるのが難しかったと認めている。

一方で、時間が経過するとともに、新たなターゲットに目を移し始めている。北アイルランド出身で、幼いころからプレーしていたロイヤルポートラッシュゴルフクラブでの全英オープン2度目の戴冠となれば、ゴルフに対するハングリーさを取り戻すのには、十分なチャレンジである。

2019年。6年前にこの地でプレーした際には大きな屈辱とともにコースを去っている。スタートホールでクアドラプルボギーを叩き、初日のスコアは「79」。16歳で出したコースレコードの「61」を18打も上回った。

2日目に「65」をマークしたものの、カットラインには届かず。地元への凱旋はあっという間に終わりを告げた。その雪辱を晴らすべく迎える今大会。マキロイは、準備がしっかりとできていると確信している。

「(前回は)木曜日の1番ティに、私は大歓声とともに上がったのを覚えている。だけど自分自身は準備ができていないような気がしていたし、あの場面でどのような気持ちでいるべきか分からないでいた。そして実際にプレーがスタートしてからの内容はあまり覚えていない。忘れようとしているのもあるけどね」

一方で、セカンドラウンドのことは覚えている。「予選通過ができるように必死にプレーした。14番のセカンドで6番アイアンを打った時のあのギャラリーの大歓声は、しっかりと記憶している」と話す。

「あのショット、あの大歓声。グリーンへ向かう時にはスタンディングオベーションで迎えられた。あれは本当にスペシャルな瞬間だった。決勝ラウンドもプレーしたかった。今週は違う状況になると良いね」

そういうマキロイだが、今大会に臨む状態は悪くない。前週のジェネシス・スコットランドオープンでは13アンダーをマークして、2位タイでフィニッシュ。直後に現地入りすると、月曜日の午前中には、4時間の睡眠後すぐに練習ラウンドを回った。

「(マスターズ優勝後の)ここ数か月間は、苦しんでいたのは誰もが承知のとおり。自分がやりたいことを完遂したのだから。でも達成したいことはまだたくさんある」

「今年は驚くべき年を送っている。夢だったグリーンジャケットを手に入れて、今はここポートラッシュにいる。あとは、ファンのリアクションを楽しみ、彼らの前でプレーすることも楽しみ、今週の大会自体を楽したい」

そして、最後には「このトーナメントに勝ちたいし、それができると信じている」と語気を強めた。新たな目標に向かう36歳に、地元のファンは大きな期待を寄せている。

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